兎は地球で床に就く

システムエンジニア予定の無職ニートブログ

久々にGANTZを読んで

 こんばんは。indexです。

 久々にGANTZを読み返しました。

 読み返すと色々気づく点もあるんで、備忘録的に感想を残したいと思います。

 

ねぎ星人編

 GANTZの始まりの話です。

 今では考えられないくらいスローペースなストーリー展開です。よくこれで打ち切りにならずに済んだな……って思うくらいスローです。

 計ちゃんが全く魅力的に思えないですが、このヘタレ感というか頼りにならなさがあるからこそ、後々効いてきますね。

 岸本はえっちだったので岸本だけで打ち切り回避したんじゃないですかね。

 いや……1巻から構図とか演出に関しては映画の1シーンを抜粋したように神がかっていたのでそこが魅力的だったのか。

 

田中星人編

 計ちゃんが昔を徐々に取り戻し、果敢に田中星人(トリ)に立ち向かう話ですね。

 チンピラ二人のパシリにされながらも、最後には家を崩落させ、自分の身の危険も厭わず決死の行動を取るシーンはカッコ良かったですね。まあ決着は空中シーンなんですが。

 

あばれんぼう・おこりんぼう星人・千手観音編

 面白い。

 目標はあばれんぼうとおこりんぼうのはずなんですが、一番強くて厄介な敵は千手観音の星人なんですよね。円盤状の器具が無事であれば、自分も味方もいくらでも再生できるという初見殺しチートマンです。キックボクシングお姉さんが偶然強酸をぶっかけられなかった無理でしたね。

 それと、計ちゃんが以前の西くんみたいな戦闘狂の目をしているのも特徴的ですね。協調性ゼロ、自分本位という我がままボーイ。生き残るのではなく、戦闘によって得られる快感を優先するマン。この、言わば西くんモードの計ちゃんは千手観音編だけで終わらせたのも英断でしたね。冷血な態度で一般人を皆殺しにするような計ちゃんを見たいと言えば見たいですが、それはそれで話に収拾がつかなそうです。よくライブ感だけで描いてる、なんて言われるGANTZですが、オニ星人編まではそこそこ展開は考えてるんじゃないですかね。

 最後に、ラスボスを倒したのが加藤ってのもいいですね。計ちゃんは手と足を失い生きることを諦めたんですが、昔の計ちゃんの面影を追う加藤が、「負けることを考える奴は絶対に勝てない(みたいな台詞)」という計ちゃんの言葉で敵を打倒するのが実にカッコいいです。

 よく考えると、生きる力の才能の権化、みたいな描かれ方をしている計ちゃんですけど、諦めたのってここが最初で最後ですね。

 

チビ星人編

 チビ星人編は東京のGANTZメンバーが計ちゃん一人を残し全滅した後の話ですね。精神的に追い詰められますが、逆にそれが計ちゃんの成長を促すというか……そんな話です。

 また、制限時間内に星人を討伐できないと、そのまま現実世界に残り、GANTZから戻った後も干渉してくるってのが特徴的でしたね。

 あの制限時間は星人とGANTZメンバーの姿を透明化できる限界時間、ってことだったんですかね。

 

かっぺ星人・恐竜星人編

 ここから元GANTZメンバーの和泉が合流し、女優のレイカも登場します。それとみんな大好きおっちゃんも登場します。

 かっぺ星人編からオニ星人編までが一番好きな流れですね。

 和泉が出てきたことでGANTZの全貌が徐々に明らかになっていき、新宿大虐殺というエンターテイメントで次なる戦闘に行くというセンス全開の展開。なんやかんや、一番目が離せない展開だったかもしれないです。

 それと、計ちゃんがリーダーとして活躍する回でもありますね。おっちゃんから謎の信頼を得て、ブラキオさんを討伐する計ちゃん。そんな計ちゃんを見て一目ぼれするレイカ。レイカがえっちすぎます!!

 

びわ星人編

 強くなった計ちゃん他、チームとして機能し始めた東京GANTZメンバーのお披露目のための星人ですね。

 GANTZの説明ではつよい、らしいですが、あんまり分かりませんでした。

 まあワンピースで言う二年後のメンバーをお披露目する魚人島編みたいなもんです。

 相変わらずレイカはえっち。

 

オニ星人編

 少年漫画みたいに熱い展開でしたね。ラストの和泉との共闘でボスオニ星人を倒す瞬間は燃えました。やっぱりこういう王道的展開は大好きですね。

 それと、ヘタレの稲葉とレイカに擬態したオニ星人がえっちするシーンはえっちですね!擬態とはいえ、姿かたちはレイカなのでとてもえっちでした。

 それと、風さんですね。風さんがま~強い。最初はたけしを守るために戦っていたはずが、戦闘自体に本来の悦びを見出すようになり、歓喜を感じながら戦うバトルジャンキーっぷりは見ていて楽しかったです。GANTZってどのキャラがいつ死ぬか分からないヒリヒリした感じがあるので、風さんも相打ちになって死ぬんじゃね……?みたいなハラハラ感がありましたね。

 

ぬらりひょん・大阪編

 GANTZの中で唯一、計ちゃんが戦闘に参加しない話です。

 ですが作中屈指の強者であるぬらりひょん、作中屈指の実力者である大阪メンバー、初登場の強力な武器など、ワクワクする展開の目白押しです。百鬼夜行なので妖怪の数も多いし倒壊する建物も派手ですし、何より戦闘がド派手!大阪編がCG映画化するほど大人気なのも納得できますね。

 吸血鬼の二人が平安貴族っぽい人らと干戈を交えるシーンはカッコ良かったですね。幽遊白書の飛影VSなんとかって奴との剣戟シーンと同じ興奮を覚えました。

 よくネタにされる岡八郎なんですけど、ぬらりひょんの不可視の攻撃を体をブレさせながら回避するシーン好きなんですよね。結果的にぬらりひょんの強さの指標となった哀れなキャラではありますが、作中でもその強さは断片的に描かれていましたね。

 それと、大阪編で初登場する山咲杏が可愛いんですよね。23歳のシングルマザーなんですが、とてもえっち。人助けをすることを信条に生き、弟を高校生ながらに養っている姿にぐっと来たんでしょう。それと、ここで初登場する眼鏡の高校生もいいキャラしてるんですよね。最初はガタガタ震えているだけの臆病なキャラなんですが(初戦がぬらりっていう不遇過ぎるキャラ)、加藤に感銘を受けて絶対に杏を復活させると誓ったキャラでもあります。

 ぬらりひょんという大ボスが激強だったのも良かったですね。意識外の攻撃、つまり不意打ちで無ければすぐに傷が塞がってしまうという千手観音同様のチートキャラです。まあでも……最初に狙撃でダメージを受けていた時、割と倒されそうになってたよなぁ、と読み終わった後は考えて見たり。不意打ちの攻撃に弱いですが、意外とその対策はとっていないキャラでした。すぐに再生できるからか、天狗とか狐面の妖怪よりも耐久力は無さそうでしたね。

 

ラストミッション編

 ここは稲葉です。稲葉が主人公でした。

 登場してから徹頭徹尾ヘタレキャラだった稲葉でしたが、唯一自分を気遣ってくれたおっちゃんが死んだことで闘士を燃やし、果敢に天使のような石像に挑む勇敢さを見せてくれました。稲葉は生き残って欲しかったなぁ……。

 攻撃力だけで言えば、触れるだけでGANTZスーツの耐久を無視して殺す膂力を持つ石像星人が一番なんですかね。

 稲葉がいたので面白かったです。

 

カタストロフィ編

 GANTZの最終章です。あくまで私の感想なんですが、一番退屈な話でした。

 ずっと「けいちゃあああああああああん」「たえちゃあああああああん」をやっているイメージです。実際間違ってないと思います。

 ですが、カタストロフィ編が一番、奥浩哉先生の考えるエンターテイメントしてると思います。

 単行本何巻だったか忘れたんですが、巻末付近に奥浩哉先生の考えるエンターテイメントに関する考え方が書かれているんですよ。その中では、「老若男女が予備知識を一切無しに楽しめるもの」がエンターテイメントって記載されてるんですよ。それを踏まえてカタストロフィ編を見て見ると、嗚呼、実にエンターテイメントしてるなぁ、と思います。

 というのも、ラストの計ちゃんVS巨人兵士の英雄・イヴァが正にそれなんですよ。全世界人種国籍問わず、老若男女問わず、流される映像の前で二人の決戦に対して熱狂してるんですよ。読み返していて思いましたね。これが奥浩哉先生の考えるエンターテイメントなんだなぁ、って。

 

 正直ストーリー展開だけで言えば一番退屈なのがカタストロフィ編ではあるんですが、世界の終末感とか、デカいロボが街中を破壊する一枚絵とか、巨人族のコロニー描写とか、世界観構築に限って言えばGANTZ屈指だと思います。こう……頭の中にある地球が宇宙人によって破壊し尽くされたイメージを、そのままアウトプットするとこんな感じになるんだろうなぁ、って思います。なのでストーリーではなく絵を楽しむって考えるとカタストロフィ編はいいものなんだろうなぁって思います。

 

 クローン計ちゃんが死んだのは、たぶんレイカが死んで扱いに困るからですかね。後は地球に帰還した後、英雄が二人いたら色々面倒くさくなるからかもしれません。

 

総括

 GANTZって長ったらしい設定って描かれないんですよね。これは悪い星人を殺すスーツで銃だよ、と。それで強い宇宙人を殺してね、っていう分かりやすい設定しかほぼほぼ出してないんですよ。

 奥浩哉先生の考えるエンターテイメント。実に現れている作品だなぁ、と感じました。

 また読み返すと思います。ありがとうございました。