こんばんは。InDexです。
本日アキラとあきらを見に行ってきました。
母親が見たいと言っていたので家事の息抜きにいいかな、と思って車で送迎しました。
私は邦画が微妙だと思っているので見に行くつもりはなかったのですが、見ていない内からマイナスな評価をするのは愚の骨頂だと思ったので見に行きました。
つまるところ、期待値は際限なく低かったわけです。
結果……。
すんません。アキラとあきら、面白かったです。マジでめちゃくちゃ面白かったです。
何が面白かったのか。それを列挙していった後、タイトルの男性と女性の映画の違いについて語っていきましょう。
分かってんねぇ監督!!
まずは序盤の子供時代の話です。子供の頃のアキラとあきらが出会うシーンなのですが、この時モノローグで「人には宿命がある――」とか言ってるんですよ。
正直宿命ってワードセンスには疑問を感じたのですが(これから頻発するのを考えると必然とか、試練とかの方がピッタリくる)、それは置いといて、この出会いが宿命ならば大人になった後どこかのシーンで「あー! あの時のお前かよ!!」みたいな展開があると思ったんです。
どこで回収されるんだろう。たぶんラストシーンかな?回収されなかった減点だな、と思ってると、しっかりラストシーンで回収してくれました。
この時点で「わかってんねぇ監督!!」と握手をしたい気分でした。
さらに分かってんねぇポイントはというと、ここで「あの時のお前かよ!!」的なオーバーリアクションをしなかったことです。あくまでも子供の頃をなぞるような表現をしたことで渋さと硬派さが表現されていてポイント高かったです。
そうそう。先ほど監督と握手、とか言ったんですけど、本映画の中にも握手をするシーンが出てくるんですね。
山崎の方のあきらが融資を成功させ、階堂の方のあきらと握手をするシーンがあるんです。
ここで階堂の方のあきらが「ありがとう」とか「恩に着る」とか言うのかな?と思ったんですよ。握手をするなら山崎の方が先に差し出すんだろうな、とか考えてました。
山崎のおかげで郵船が助かったようなものなのでここで階堂が先に手を出すのはパワーバランス的におかしいからです。
しかし、私の思いとは裏腹に階堂が先に手を出したのです。
「え……」
と虚を突かれる思いでした。
とはいえ、階堂の方はスタートしてから今まで感謝らしい感謝もしなければ、信頼に裏付けられた頼みも一切口にしてないんですよ。「分かった」とか「あぁ」とかそんなです。
仕方ないことなのかな……と思っていると。
二人は夕日をバックにがっちり握手を交わします。
そのすぐ後、階堂が両手で山崎の手を握るんです。
「本当にありがとう……!!」
と、万感の思いが籠ったように握手をするんです。
これこれぇ!!これだよ監督!!
と、私は監督と握手したくなりました。
言葉では言わず、映像の中で行動として表現する、映像や絵でしか表現できない技法であり、小説では絶対できない点です。
最近見た邦画と言えば樹海村なので舐め切っていたわけです。そんな中これですよ。
評価が低いはずがない。
他にも序盤で出てきた塚地が支援団体の代表として生きてきたり、山崎が大学受験の時、銀行員に言われた「君の経験が未来に生きるように」って言葉が不動部長の口から「お前の経験が生きたな」と作中内で回収されたりと、映画の構成が巧みなんですよ。
私は脚本と映画の構成を見る人間なので、だからこそアキラとあきらは高評価なわけです。
見ていてアレだった部分
とはいえ。見ていてこれはないやろ、って思った部分もあります。
一番これはないやろ、って感じたのは階堂の弟が社長になったことです。
いやいや、110年も続く会社が、血族ってだけであんな若いもんに社長を任すわけないやん!!役員会で絶対NOって出るやろ!!って感じました。
しかしですね。あそこで弟が社長にならなければ、馬鹿な叔父兄弟の連帯保証になることもなかったですし、階堂兄が本気で親戚兄弟関係を救う気持ちにならなかったのも確かです。
なので必要な展開ではありました。しかし、明らかな作者の手が介在する強引な展開だったので「んー??」とは感じました。まぁそこまで気にする展開でもないです。
フィクション作品なのですから展開に必要なんだな、って認識で大丈夫です。
次に、これも階堂弟の話なんですが、演技が悪い。
馬鹿な弟っていう可哀想な役柄で演技も酷かったので可哀想でした。逆に同情を引いてしまう感じでした。
さらに、上白石萌音ちゃんがダメでした。展開に必要ないし、出てくる意味も分からないし、事務所のゴリ押しキャラでした。こういう今流行りの女優をキャスティングしておけば収益見込めるべ、みたいな意図が透けて見えるのはホントアカン。マネタイズ的には必要なんでしょうが、それならそれでもうちょい意味のある人物を用意してくれよ、と思います。
意味があったって言えばセット販売の下りくらいですよ。別にあれが上白石ちゃんである意味もないマクガフィンです。
後はカメラワークが凡過ぎるってくらいですか。
正直キャスティング以外は大して金がかかってなさそうなので絵面がずっと地味なのでカメラワーク頑張れよ!!って感じだったんですが、まぁ凡でした。
普通ですね。
映画ってよりかはドラマを見ている気分でしたね。音響と音楽が良かったのでそこに救われた感じです。
まぁこんなとこです。
脚本と映画構成は本当にいいのでお勧めできる映画です。
男女の映画の差異について
私は本映画を見に行った後、風呂に入りながら邦画について考えてました。
アキラとあきらは邦画ですが面白かったです。ですが、今やってる今夜この恋が終わっても(タイトルは多分これで合っているはず)、って映画はクソですよね。
でも女性の入りはいいのでマネタイズ的には成功しているわけです。
あんなに内容がクソな一週間フレンズのパクリがなぜ……?とも思ったのですが、私はとある勘違いをしていました。
今夜(ryの映画を見た姉は主演の俳優を見に行ったそうです。
私はそれを思い出しハッとしました。
私は映画に対して構成とか脚本を見に行っているんですが、今夜(ryは構成や脚本ではなく演じている俳優、女優そのものが主役なんですよ。
内容を重視している映画と、キャスティングを重視している映画。そりゃあキャスティングだけの映画を見に行って内容どうこう言うのはお門違いなんですよ。
だって内容なんて関係ないんですから。好きな俳優が演じていればそれが何でもいいんです。内容が破綻していようと、パクリであろうと、胸キュンする何かしらのシーンがあれば収穫なんです。
私はそれが分かった時一つの結論に至りました。
女性は俳優を見る為に映画を見に行っている。それは男性にとってのAVと同じなのです。
男性は、私は女優を見る為にAVを見ています。素人だって言っても本当はプロ。強引な展開だろうがそれを受け入れる。だって女優を見に来ただけなんだから。
どんなに演技が棒であろうと、展開に無茶があろうと、そもそも目的がそれらではないのだから問題はない。
女性にとっての映画と、男性にとってのAVは認識が同一なのです。
だから邦画はクソなのではなく、邦画の中にある女性にとってのAVがクソなのであり、内容重視の映画はクソではないのです。
そういうことなのです。
というわけで皆々様。
ここらで兎は床に就かせていただきます。
満足です。